ブランディングって何?

今回はそもそもブランディングとは何か?についてです。ブランディングという言葉が国内のビジネスの世界で使われ始めたのは、2000年代始めくらいだったと思いますが、2017年現在、私個人の実感としてはビジネスの世界に限らず一般的な言葉として浸透しているように思います。しかしながら、具体的にブランディングって何?と聞かれて明確に答えられる人は未だ意外と少ないのではないのでしょうか。ここでは簡単にブランディングとは何かについて解説したいと思います。
ブランディングとは何か
まず確認しなければならないのは、ブランディングは抽象的な概念であり、特定の手法を指すものではないということです。またブランドに関わる人の立場や視点によって捉え方も変わります。例えば、ある人はブランディングとはロゴやカラーリングなど表現のスタイルを整え特定のブランドイメージを認知してもらうことであるといい、またある人は、評判を作ることにより企業価値を高めビジネスを優位にすすめられるようにすることであるというかもしれません。前者はデザイン・クリエイティブ寄りな解釈であり、後者はビジネス寄りの解釈で、どちらもブランディングの一側面であることは間違いないのですが、ここでは、ブランディングを手法論としてではなく、立場や視点の違いを超えて、製品やサービス、事業をブランドにしていくための活動であると捉えていきたいと思います。
ブランド戦略とは
ブランディングでは、見た目を整えることも評判を作ることも、ブランドを作るための手段として考えます。手段は目的を明確にしてはじめて具体的に計画することができます。よってまずは、自分たちがどのようなブランド作りたいのか、どこへ向かい市場でどのように認知してもらいたいのか、正しい方向性を定め明確な道筋をつけることが必要となり、それらをまず策定することがブランド戦略のファーストステップとなります。方向性を決めクリエイティブ、デザイン、マーケティング、キャンペーンなどすべての施策が同じ方向を向き計画、実行されることで、ブランド戦略は有効に機能します。
経営戦略との違いと、クリエイティブやデザインが重要な理由
方向性を定めるという点でブランド戦略は、経営戦略に似ていますが、経営戦略とは大きく違う点があります。それはブランドがユーザーの感情に密接に関わっていてることに起因します。ブランドに触れるのは人です。当然ながら人間には感情があり、人々はブランドに対して共感、ワクワクする期待感や気分の高揚、安心感や信頼感、自己実現感など特別な感情をいだきます。ブランドとなる製品やサービス、企業には必ず、人々が触れることで上記のような感情を喚起する要素があります。こうした感情、情緒を伴う要素は経営戦略ではカバーしきれない領域であり、そこに深く関わるという点においてブランド戦略は経営戦略と異なります。ブランディングにおいてクリエイティブやデザインが重視される理由はまさにそこにあり、近年では同様の認識から、ユーザーエクスペリエンスデザインやサービス設計/デザインもブランディングの領域で扱われることがあります。
ブランディングの課題とこれから
前述の通りブランディングは立場の違いを超え組織横断的に行うことが必要となるため、部門や事業部の垣根や競争もあり導入が難しかったり、導入してもうまく活かせないケースもあります。そのため比較的大きな組織では、ブランド室や経営に近い広報部門が窓口となったり、部門を超えた専門のワーキンググループを立ち上げるなどしてブランディングを行う体制をつくります。それでも全社的にブランディングを浸透させるために困難を伴う場面は多々あるかもしれません。しかし一方で、市場や、企業を取り巻く環境の変化が加速化していくなかで、そうした動きに対応する製品やサービス、組織をいかにつくるかという内外からの要請はますま強くなっていて、ブランディングを企業の経営戦略と並行して積極的に活用していこうという企業は増えています。弊社もそうしたニーズに応えるよう頑張っていきますので宜しくお願い申し上げます。